[要確認]小型・軽量で扱いやすい直動式減圧弁|ヨシタケGDシリーズの特徴

ヨシタケ GD-30の製品外観
ヨシタケ GD-30(公式製品写真)
ヨシタケ GD-30(公式製品写真)/製品情報・写真出典

直動式減圧弁GDシリーズを、流体と仕様から選ぶ

直動式減圧弁の候補を絞るには、流体・圧力・温度の確認が必要です。外形が似ていても、同じ条件で使えるとは限りません。カタログでGDシリーズを比較し始めると、「蒸気用と水用はどう違うのか」「二次側圧力の範囲が同じなら置き換えられるのか」と迷うことがあります。限られたスペースに設置したいときも、小型であることだけでは判断できません。

GDシリーズには、蒸気用、冷温水用、水道水用、空気などの気体用があります。まず用途に合う製品群を選び、その後に設定圧力と流量条件を確認すると、比較の順序が整います。ここでは代表型式の仕様を同じ項目で整理し、直動式の仕組み、用途ごとの違い、候補を絞った後の確認点を紹介します。

この記事のポイント

  • GDシリーズは直動式ですが、適用流体と使用条件は型式によって異なります。
  • 圧力範囲の表示だけでなく、必要な設定圧力に合う仕様区分を確認します。
  • 小型・軽量という特徴に加え、流量特性と設置条件から適合性を判断します。

この記事の結論

GDシリーズを選ぶときは、蒸気・冷温水・水道水・気体のうち、使用する流体に対応する型式から比較します。直動式は内部構造が比較的簡単で、小型化しやすい方式です。一方、必要な流量範囲での圧力変動や、型式ごとの温度制限を確認する必要があります。表に示した圧力範囲は候補を探すための情報です。実際の設定圧力に合う仕様、流量、取付姿勢まで確認し、条件を整理して選定相談につなげてください。

直動式減圧弁の仕組み

直動式は、二次側圧力を検出する部分が直接弁体を動かす方式です。圧力を受ける力と調節ばねの力の釣り合いを利用して、二次側圧力を調整します。検出部分の構造は型式によって異なり、GD-30ではベローズを使用しています。

ベローズは伸び縮みする蛇腹状の部品です。圧力の変化を受けて動き、その動きが弁の開度調整につながります。外部の電気信号でモーターを動かす電動弁とは異なり、流体の圧力を利用して作動する点が特徴です。

内部構造が比較的簡単で、小型化しやすいことは、装置周辺に組み込む際の利点になります。ただし、流量が変わると二次側圧力も変化します。必要な流量範囲で許容できる変動かを、製品の流量特性線図で確認します。型式の最大流量だけを見て、少量使用時の状態を省略しないことが大切です。

パイロット式と比較するときの視点

パイロット式は、小さな弁を介して主弁を動かす圧力を調整します。直動式の構造や寸法に利点がある場合と、大きな流量変動への対応を重視する場合では、比較の観点が異なります。方式名だけで一方を上位とするのではなく、必要な流量、許容する二次側圧力の変動、設置スペースをそろえて検討します。

たとえば比較条件として、一定量を連続して使う装置と、複数の使用先が同時に開閉する設備を考えると、流量の変化は同じではありません。「小さい配管なので直動式」と決めず、その配管を実際に流れる量と変化を確認することが、方式を比べる出発点です。

蒸気用の主な型式

型式 適用流体 一次側圧力 二次側圧力 最高温度 本体材質
GD-6N 蒸気 1.0MPa以下 0.02~0.4MPa 220℃ FCD450
GD-30 蒸気 1.7MPa以下 0.02~1.0MPa 210℃ CAC
GD-30S 蒸気 2.0MPa以下 0.02~1.0MPa 220℃ SCS
GD-45 蒸気 2.0MPa以下 0.02~1.0MPa 220℃ FCD450
GD-45P 蒸気 2.0MPa以下 0.02~1.0MPa 220℃ FCD450

※本表は代表型式の比較です。二次側圧力は、各型式に用意された圧力区分を合わせた範囲です。

GD-6Nは小容量用途の型式です。GD-30は小型・軽量の蒸気用減圧弁で、圧力の検出部に外圧式ベローズを使用しています。GD-30Sは本体にSCSを使用し、接液部の材質にも配慮した型式です。GD-45Pには圧力調整用のハンドルがあります。

GD-30とGD-30Sは名称が似ていますが、最高温度や一次側圧力、本体材質、呼び径のラインアップに違いがあります。GD-30は15A~50Aの範囲で32Aを製作していません。GD-30Sは15A~25Aです。呼び径の範囲表示だけで、中間のすべてのサイズがそろうとは判断しないようにします。

なお、表の材質は本体材質です。弁体、弁座、検出部などがすべて同じ材質という意味ではありません。蒸気温度だけで候補を決めず、接液部の材質や接続条件も、その型式の仕様で確認します。

出典:ヨシタケ公式製品ページ GD-6N、GD-30、GD-30S、GD-45、GD-45P。

冷温水・水道水・空気などに対応する型式

型式 適用流体 一次側圧力 二次側圧力 流体温度 本体材質
GD-24GS 冷温水 0.2~1.6MPa 0.05~0.55MPa 5~80℃ ※1 CAC
GD-26-NE 冷温水・水道水 1.0MPa以下 0.05~0.7MPa 5~90℃ CAC
GD-46D 水道水 1.0MPa以下 0.05~0.3MPa 5~90℃ CAC
GD-26GS 空気・その他非危険流体(気体) 1.0MPa以下 0.05~0.7MPa 5~90℃ SCS
GD-8N 純水・冷温水・空気・窒素・二酸化炭素・アルゴン 0.1~1.0MPa 0.05~0.7MPa 5~60℃ SUS316

※本表は代表型式の比較です。圧力区分がある型式の二次側圧力は、各区分を合わせた範囲です。

※1 GD-24GSは70℃以上での連続使用を避けます。

GD-24GSはストレーナ・圧力計とのセット品です。同梱品を現地で組み付ける仕様のため、完成した配管ユニットと同じ扱いにはしません。設置時には、圧力計を読み取る位置や、ストレーナの保守スペースも確認します。

GD-26-NEとGD-46Dは水道法基準適合品で、GD-46Dは戸別給水用です。水用のGD-26-NEと気体用のGD-26GSは、正式な型式を区別して選びます。また、GD-26-NEの管端コア付き仕様であるGD-26L-NEは最高温度40℃です。シリーズ名が共通でも、仕様の違いが温度制限に関わります。

出典:ヨシタケ公式製品ページ GD-24GS、GD-26-NE、GD-46D、GD-26GS、GD-8N。

二次側圧力と流量を確認する順序

圧力区分はGD-46Dだけの確認事項ではありません

二次側圧力の区分は、GD-46D以外にも、GD-6N、GD-30、GD-26-NEなどにあります。表に示した全範囲を、一つの製品仕様で自由に設定できるとは限りません。必要な設定圧力に合う区分を、対象型式の製品ページで確認します。

一次側圧力と二次側圧力の差にも条件があります。これは「最小差圧」として示される数値です。たとえばGD-30の最小差圧は0.05MPaです。比較のための計算例として、一次側0.30MPa、二次側0.28MPaなら差は0.02MPaとなり、この条件を満たしません。設定できる圧力範囲内という理由だけでは選べない例です。

最小・通常・最大の流量をそろえます

流量は、装置が最大能力で動くときの値だけでなく、通常運転と少量使用時の値も確認します。最小調整可能流量などの条件を外れると、求める圧力制御ができない場合があります。配管径をそのまま減圧弁の呼び径にする前に、必要流量と使用圧力から確認します。

仕様欄に上限値が並んでいても、それぞれの上限を同時に満たせるという読み方は避けます。圧力、温度、流量は選定図表と注記を含めて確認する項目です。運転条件が変化する場合は、最低・最高の範囲が分かる記録を用意します。

小口径・特殊流体で検討する場合

GD-8Nの呼び径は6A~15A、適用温度は5~60℃です。純水や対象となる気体の小口径ラインで検討できます。二次側調整圧力には、一次側圧力の85%以下という条件もあるため、単に0.05~0.7MPaの範囲を見るだけでは不十分です。

ステンレス製であれば、あらゆる流体に対応するわけではありません。シール部やダイヤフラムなど、本体以外の部品との適合も確認します。溶剤などの特殊流体については、流体名、濃度、温度、使用圧力を添えてお問い合わせください。仕様欄にない流体を、材質の印象から使用可能と判断しないことが大切です。

比較中に確認しておきたい疑問

Q1.GDシリーズはすべて蒸気に使えますか?

A1.使えません。蒸気用と冷温水用・気体用などがあるため、正式な型式の適用流体を確認します。

Q2.小口径なら直動式を選べばよいですか?

A2.口径だけでは決まりません。流体・圧力・流量に加え、運転時に許容する圧力変動を確認します。

Q3.二次側圧力の区分があるのはGD-46Dだけですか?

A3.いいえ。ほかの型式にも区分があります。表の全範囲と、実際に選ぶ仕様の調整範囲を区別します。

Q4.GD-24GSは80℃で連続使用できますか?

A4.公式仕様では70℃以上の連続使用を避けるとされています。最高温度と継続使用の条件を併せて確認します。

Q5.水用と空気用で本体材質だけを比べてもよいですか?

A5.不十分です。適用流体と、弁体・シール部などの材質も含めて確認します。

Q6.GD-30の32Aはありますか?

A6.公式製品ページでは32Aを製作していないと明記されています。呼び径一覧で個別に確認します。

Q7.相談前に最低限まとめる条件は何ですか?

A7.流体、温度、一次側・二次側圧力、最小・通常・最大流量です。接続規格や取付姿勢もお知らせください。

候補を絞った後に確認すること

  • 用途に合う型式を選び、必要な設定圧力の仕様を確認します。
  • 流量特性、差圧、温度制限を、実際の運転条件と照合します。
  • 取付姿勢、接続規格、保守スペースを確認します。

公式製品ページにはカタログや取扱説明書へのリンクがあります。候補が決まったら、その型式の資料で選定図表と設置条件を確認してください。条件が未確定の項目は未確定のまま区別し、既設機器があれば型式も添えて、ヨシタケのお問い合わせ窓口へご相談ください。