
ストレーナの設置で最も間違えやすいのが取付方向です。ストレーナは流れの向きが決まっており、逆向きに付けると異物を十分に捕捉できず、内部にドレン(復水)が溜まりやすくなります。正しく設置する要点は、本体に刻印された矢印を流れ方向に合わせること、そしてY形ストレーナのスクリーン部(ポケット)が下側または水平になるよう配管姿勢を選ぶことです。取付条件が適切でないと、異物の捕捉やドレン排出に影響する場合があります。まずは向きと姿勢を確認してから通水することが基本です。
この記事の要点
- ストレーナは矢印(流れ方向)に合わせて取り付け、逆付けを避ける
- Y形はスクリーンの向き(ポケットの位置)でドレン滞留のしやすさが変わる
- 蒸気ラインでは乾き度の低下を防ぐため、ドレンが抜ける姿勢と排出経路を確保する
ストレーナの取付方向と正しい姿勢
矢印(流れ方向)を必ず確認する
ストレーナ本体には流れ方向を示す矢印が鋳出しまたは刻印されています。この矢印を流体の流れる向きに合わせるのが大前提です。逆向きに取り付けると、流体がスクリーンの外側から内側へ正しく通らず、異物の捕捉効率が下がったり、たまった異物が下流へ流出したりする場合があります。据付前に矢印の向きと配管ラインの流れ方向を照合し、迷う場合は施工図で確認します。
Y形はスクリーンの向きで滞留しやすさが変わる
Y形ストレーナは、本体から斜めに分岐したポケットにスクリーン(ろ網)が収まる構造です。水平配管では、このポケットが真上を向く姿勢は避け、下向きまたは水平方向を基本とします。ポケットが上向きだと、捕捉した異物やドレンがスクリーン内にとどまりやすく、排出しにくくなる傾向があります。垂直配管に取り付ける場合は、流れが下向き(上から下)になる区間を選ぶと、ドレンや異物が自重で抜けやすくなります。
ドレン滞留を防ぐための注意点
蒸気ラインでは乾き度の低下に注意する
蒸気配管でドレンが滞留すると、下流へ送られる蒸気の乾き度が下がりやすくなります。乾き度が下がると、加熱機器へ供給される熱量が安定しにくくなる場合があるため、ストレーナのポケットにドレンが溜まり続けない姿勢を選ぶことが大切です。ストレーナ単体でドレンを排出しきることは難しいため、蒸気ラインではストレーナの前後や低所に、必要に応じてドレン抜きの経路を設けることを検討します。
ブロー(排出)口とメンテナンス空間を確保する
Y形ストレーナのポケット端部には、プラグやブロー弁を取り付けられるねじ穴が設けられている製品があります。ここにブロー弁を付けておくと、通水したままスクリーン内の異物やドレンを排出でき、清掃間隔の管理がしやすくなります。据付時には、スクリーンを引き抜いて清掃するためのスペースをポケット方向に確保しておくと、後々の保全がスムーズです。差圧が上がってきたら目詰まりのサインと考え、点検・清掃のタイミングを見直します。
よくある質問
Q1. 取付方向を間違えるとどうなりますか
A1. 異物の捕捉効率が下がる、たまった異物が下流へ流れる、ドレンが抜けにくくなる、といった影響が出る場合があります。まず本体の矢印と流れ方向の一致を確認してください。
Q2. Y形ストレーナのスクリーンは下向きと水平のどちらが良いですか
A2. 一般には、水平配管では下向きまたは水平を基本とします。ドレンや異物が排出されやすい姿勢を、配管レイアウトや点検スペースに合わせて選ぶのが目安です。
Q3. 垂直配管には取り付けられますか
A3. 取付可能な製品が多いですが、流れが下向き(上から下)になる区間を選ぶと、ドレンや異物が自重で抜けやすくなります。製品ごとの据付条件を確認してください。
Q4. 蒸気ラインでドレンが溜まるのを防ぐには
A4. ドレンが抜ける姿勢での取付に加え、低所や機器手前でのドレン排出経路の確保を検討します。乾き度の低下を抑える配管設計とあわせて考えるのが基本です。
Q5. 清掃のタイミングはどう判断しますか
A5. ストレーナ前後の差圧が上がってきたら目詰まりの目安です。使用環境で異物量が多い場合は、点検・ブローの間隔を短めに設定することを検討します。
まとめ・技術相談のご案内
ストレーナは、矢印(流れ方向)に合わせた取付と、ドレンや異物が抜けやすいスクリーンの姿勢を確保することが基本です。蒸気ラインでは乾き度の低下を招かないよう、ドレン排出の経路や点検スペースまで含めて据付条件を整えることが望まれます。
「この配管姿勢で取り付けて問題ないか判断できない」「口径やスクリーンのメッシュが用途に合っているか確認したい」「既設ストレーナの同等品を選定したい」といったお悩みがありましたら、ヨシタケの技術相談・選定相談をご利用ください。使用流体や配管条件をお伺いし、適切な取付方向・姿勢や仕様選定のご提案をいたします。
